近年、地域に根差した企業が、再生可能エネルギー活用や脱炭素の取り組みを先導する事例が増えています。その好例の一つが、鹿児島県鹿児島市に本社を置く株式会社久永です。
ICTとZEBを融合した先進的オフィス 同社は2024年3月、川内オフィス・ICTトレーニングセンターをグランドオープンしました。この施設は、単なるオフィス機能にとどまらず、地域建設業の生産性向上やDX推進を支える拠点として重要な役割を果たしています。
川内オフィスは、エネルギー効率の面でも全国的に注目されています。建物はZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)として認証を受けており、従来比109%の消費エネルギー削減を実現。さらに、消費電力の100%を風力発電などの再生可能エネルギーで賄うRE100認証も取得しました。このように地方の企業がZEBとRE100を同時に達成する事例は珍しく、薩摩川内市の掲げる「ゼロカーボンシティ薩摩川内」の実現に寄与しています。
太陽光発電の自家消費と地域還元 2023年3月には、地球温暖化対策の一環として本社に太陽光発電設備を導入しました。この設備は、オフィスの自家消費用に発電を行い、余剰電力を市場に供給しています。
単なる設備の導入に留まらず、社員一人ひとりが「エネルギー削減の意識を持つ」ことを徹底し、持続可能な事業活動を進めています。社員教育や意識啓発を合わせて推進している点が、久永の脱炭素経営の特徴です。
ICTトレーニングセンターで地域建設業を支援 ICTトレーニングセンターでは、鹿児島・宮崎・熊本を中心とする建設事業者向けに多様なカリキュラムを提供しています。生産性向上、担い手不足の解消、働き方改革に資する新技術研修などを実施しており、建設DX(i-Construction)の推進拠点として、地域産業の競争力向上と省エネルギー化の両立を支えています。
健康経営と多様な人材活用も推進 久永は、経済産業省の**健康経営優良法人(中小規模法人部門)**に認定されています。社員全員禁煙の徹底や朝の体操など、社員の健康増進にも積極的に取り組んでいます。また、女性管理職登用や障がい者雇用、シニアの活躍推進など、ダイバーシティ経営を実践し、地域雇用の創出と働きがいのある職場づくりを両立させています。
地方企業だからこそできる脱炭素のロールモデル 脱炭素化は都市部だけの取り組みではなく、地方の企業が先進的な事例を築くことで、地域全体の意識や行動を変える波及効果があります。株式会社久永の挑戦は、再エネ活用・ゼロカーボンビル・ICT活用・人材育成を多面的に結びつけ、地域の脱炭素と産業競争力を両立させる新しいロールモデルといえます。
地域発のイノベーションが、持続可能な社会の実現に向けて確かな一歩を刻んでいます。

