
この記事では、神奈川県が令和8年度(2026年度)に事業者向けに実施している省エネ・再エネ関係の補助金を、制度ごとに整理します。対象者・対象設備・補助額・受付期間に加えて、2026年10月21日時点の受付状況もあわせてお伝えします。
神奈川県の事業者向け補助金の全体像
神奈川県の産業・業務部門向けの脱炭素補助金は、「神奈川県産業・業務部門脱炭素推進事業費補助金交付要綱」という1本の要綱のもとに、次の3つの補助金がまとめられています。
- 自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金:自社で使う太陽光発電などと、併せて設置する蓄電システム
- 中小企業省エネルギー設備導入費等補助金:空調・LED照明・ボイラーなどの省エネ設備への更新
- VPP形成促進事業費補助金:VPP(バーチャルパワープラント。分散した発電設備や蓄電池を束ねて制御し、発電所のように働かせる仕組み)を形成する事業
このほか、環境部局の別の制度として「事業用等EV導入費補助金」があります。以下では、一般の事業者が直接申請する機会の多い3制度(省エネ、自家消費型再エネ、事業用EV)を中心に説明します。
省エネ設備
- 中小企業等が対象
- 補助率1/3、上限500万円
- 8月6日に予算到達で締切
自家消費型再エネ
- 法人・青色申告の個人事業者
- 太陽光は1kWあたり8万円
- 9月3日に予算到達で締切
事業用等EV
- バス・タクシー・トラック等
- 受付は12月28日17時まで
- 予算がなくなり次第終了
各制度の公式ページの新着情報による。EVは車種区分ごとに予算の9割を超えたと公表されています。
中小企業省エネルギー設備導入費等補助金
県内の中小企業等が、自ら所有し事業に使っている県内の建物で、古い設備を省エネ型に更新する費用の一部を補助する制度です。
対象者
中小企業基本法に定める中小企業者(大企業の出資や役員兼務の割合が一定以上の、いわゆる「みなし大企業」を除く)のほか、学校法人、一般・公益社団法人や財団法人、特定非営利活動法人、医療法人、社会福祉法人、中小企業団体などが対象です。個人事業者は青色申告を行っている方に限られます。
対象設備
- 空気調和設備(法定耐用年数を経過しているもの)
- LED照明設備(光源部のみの交換や、LEDからLEDへの交換は対象外)
- ボイラー(燃料転換を含む)、給湯設備、コンプレッサー、変圧器
- 冷凍冷蔵設備(法定耐用年数を経過しているもの)
- ガスコージェネレーションシステム、自動制御機能を備えたエネルギーマネジメントシステム
- 県または県が指定した機関の省エネルギー診断で提案された設備や、空調の薬液洗浄・配管の保温などの保守・機能向上
導入する設備は、トップランナー制度の省エネ基準達成率100%以上、国の省エネルギー投資促進支援事業費補助金の登録設備、グリーン購入法の判断基準のいずれかを満たす必要があります。また、事業によって削減されるエネルギー起源のCO2が年間3トン以上であることが求められます。
補助額
設計費・設備費・工事費(撤去・処分費や消費税等は対象外)の3分の1で、上限は500万円です。「かながわ再エネ電力利用認定事業者」または「かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度」の認証を受けた場合は、上限が600万円になります。
受付状況
令和8年度の受付期間は令和8年6月1日から11月30日まででしたが、申請額が予算額に達したため、令和8年8月6日に申請が締め切られました。補助事業は令和9年3月31日までに完了させる必要があります。
自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金
発電した電気を県内の自社施設で使う「自家消費型」の太陽光発電などと、それと併せて設置する蓄電システムの費用を補助する制度です。個人の住宅は対象外です。
対象者と対象設備
法人または青色申告を行っている個人事業者が対象です。リースやPPA(電力販売契約。設備を事業者が設置・所有し、需要家は使った電気の料金を払う方式)で導入する場合は、リース等事業者が補助を受けます。
FIT(固定価格買取制度)やFIPの認定を受けない設備に限られ、太陽光発電は発電出力10kW以上が要件です。ソーラーシェアリングも対象になります。蓄電システムは、補助対象となる発電設備と併せて導入する場合に限られ、蓄電システム単独では対象外です。
補助額
- 発電設備:発電出力1kWあたり8万円。かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証を受けた場合は1kWあたり2万円の上乗せ
- 上限:中小企業等は補助対象経費まで、中小企業等以外は補助対象経費または3,000万円のいずれか低い額
- 蓄電システム:蓄電容量1kWhあたり5万円(補助対象経費と500万円のいずれか低い額が上限)
受付状況
令和8年度の当初予算額は9億9,300万円で、令和8年4月30日に受付を開始しました。申請額が予算額に達したため、令和8年9月3日に募集が締め切られました。県はこの補助金と国・県内市町村の補助金との併用が可能としています。
- 交付申請電子申請。予算枠内で先着順
- 交付決定決定前の着工は対象外
- 工事・支払い令和9年3月31日までに完了
- 実績報告完了後2か月か令和9年4月15日の早い日
- 補助金の振込審査後に精算払い
事業用等EV導入費補助金
EVバス、EVタクシー、EVトラック、EVレンタカー等を導入する経費の一部を補助する制度です。個人の自家用車は対象外です。
- 対象者:県内でバス・タクシー・トラック・レンタカー等の事業に使う車両の所有者となる法人・個人事業者、およびこれらにリースする事業者
- 補助率と上限:EVバス1/3・上限1,500万円、EVタクシー1/3・上限100万円、EVトラック1/4・上限500万円、EV軽トラック上限20万円、EVレンタカー等1/3・上限100万円
- 受付期間:令和8年4月30日から令和8年12月28日17時まで(予算がなくなり次第終了)
- 申請時期:補助事業に着手する1か月以上前に申請
2026年9月4日時点で、EVバスは申請額が予算額の9割を超え、EVタクシー・EVトラック・EVレンタカー等も8月24日に9割を超えたと公表されています。検討中の場合は、早めに公式ページで最新状況を確認してください。
令和8年度に締め切られた制度への備え方
省エネ設備と自家消費型再エネの補助金は、いずれも受付開始から数か月で予算に達しました。県は申請額が予算の70%・80%・90%に達するごとに公式ページで公表しています。補助率や対象設備は年度ごとに見直されることがあるため、次年度の公募を待つ場合は、次の準備を先に進めておくと申請に間に合いやすくなります。
- 更新対象の設備の型番・設置年・使用状況の把握と、削減できるCO2量の試算
- 施工会社からの見積の取得(交付決定前に着工すると対象外になる点に注意)
- 上限額の引上げにつながる「かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度」などの認証取得
- 県の無料の省エネルギー診断や、太陽光発電設備の導入提案の活用
県の制度とあわせて、市町村の制度も確認すると選択肢が広がります。横浜市・川崎市の制度は横浜市・川崎市の事業者向け脱炭素補助金で整理しています。
まとめ
- 神奈川県の令和8年度の省エネ設備補助金(補助率1/3・上限500万円)は8月6日、自家消費型再エネ補助金(太陽光1kWあたり8万円など)は9月3日に、いずれも予算到達で受付を終了しています。
- 事業用等EV導入費補助金は12月28日まで受付中ですが、予算の9割を超えた区分があります。
- いずれも交付決定前の着工は対象外です。次年度に向けて、設備の現状把握と見積の準備を進めておくことが大切です。
タンソーマンGXでは、神奈川県や市町村、国の制度の中から使える補助金を選び、申請書類の作成から実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。
参考資料
- 神奈川県「中小企業省エネルギー設備導入費等補助金」
- 神奈川県「令和8年度神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」
- 神奈川県産業・業務部門脱炭素推進事業費補助金交付要綱(PDF)
- 神奈川県「令和8年度神奈川県事業用等EV導入費補助金」
- 神奈川県「神奈川県VPP形成促進事業」
本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。



