2026.06.18

2026年の夏、企業の電気代はどうなる?法人電力の予測

夏は、工場や店舗、オフィスの電気代が大きく増えやすい季節です。

気温の上昇に伴って空調設備の稼働時間が長くなるだけでなく、冷蔵・冷凍設備や生産設備などの負荷も高まりやすくなります。

しかし、企業の電気代が増える原因は、単純な「電気の使いすぎ」だけではありません。

電力会社との契約内容や、燃料価格・卸電力市場の動向、最大需要電力、再生可能エネルギー発電促進賦課金など、複数の要素によって請求額は決まります。

電気代を効果的に削減するためには、照明を消すといった小さな節電だけではなく、電気料金の構造そのものを理解することが重要です。

2026年度の再エネ賦課金は過去最高水準に

2026年の夏、企業の電気代はどうなる?法人電力の予測

2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、1kWh当たり4.18円に設定されています。

例えば、毎月50,000kWhの電力を使用する事業所の場合、再エネ賦課金だけで月額約20万9,000円、年間では約250万円になります。

再エネ賦課金は、原則として電力使用量に応じて請求されるため、電力使用量の多い工場、物流施設、病院、ホテル、スーパーマーケットなどでは、経営に与える影響も小さくありません。

また、電気料金には再エネ賦課金以外にも、次のような費用が含まれています。

•基本料金

•電力量料金

•燃料費調整額

•市場価格調整額

•再生可能エネルギー発電促進賦課金

•消費税

電力会社から提示される電力量単価だけを比較しても、実際の請求額が安くなるとは限らない点に注意が必要です。

夏の電気料金補助はあるが、根本的な対策にはならない

2026年の夏、企業の電気代はどうなる?法人電力の予測

政府は、2026年7月から9月の使用分を対象に、電気料金の支援を実施します。

低圧電力(主に小規模な店舗やオフィス向け)については、7月・9月使用分が1kWh当たり3.5円、8月使用分が4.5円、高圧電力(主に工場や中規模以上のビル向け)については、7月・9月使用分が1.8円、8月使用分が2.3円の値引きとなる予定です。

一時的には企業の負担軽減につながりますが、補助金は期間限定です。

補助金の終了後には、再び企業が電気料金を負担することになります。そのため、補助金による値引きを待つだけでなく、契約プランや電力使用状況を見直すことが重要です。

電気を使う量だけでなく「使う時間」にも注意

特に高圧電力を契約している事業所では、「デマンド」と呼ばれる最大需要電力が基本料金に影響します。

一般的な実量制契約では、30分ごとの平均使用電力を計測し、当月を含む過去12カ月間で最も高かった最大需要電力をもとに契約電力が決まります。[3]

例えば、真夏のある30分間に、次の設備を同時に稼働させたとします。

•大型空調設備

•生産機械

•コンプレッサー

•冷蔵・冷凍設備

•EV充電器

この30分間に電力使用量が大きく跳ね上がると、その値が契約電力として採用され、以降の基本料金が高くなる可能性があります。

つまり、年間の電力使用量を減らすことだけでなく、設備を同時に稼働させないようにするなど、ピークを分散させることも重要です。

「我慢する節電」だけでは限界がある

電気代を削減するために、照明を消したり、空調の設定温度を上げたりする企業も少なくありません。

こうした取り組みも無駄ではありませんが、従業員の生産性や職場環境を悪化させるほど実施するべきではありません。

また、設備の消費電力が大きい事業所では、照明の削減よりも、生産設備、空調設備、コンプレッサー、ポンプ、冷蔵・冷凍設備などを見直した方が、大きな削減効果につながる場合があります。

大切なのは、感覚で節電するのではなく、どの設備が、いつ、どれだけ電気を使用しているのかを把握することです。

企業が今から確認すべき5つの対策

1.現在の電力契約を確認する

まずは、現在契約している電力会社と料金プランを確認します。

特に確認したいのは、固定単価型なのか、市場連動型なのか、燃料費調整があるのかという点です。

電力量単価が安く見えても、市場価格調整額や燃料費調整額を含めると、想定以上の請求になることがあります。

2.複数の電力会社から見積もりを取得する

電力会社によって、基本料金、電力量料金、燃料費調整の仕組み、契約期間、解約条件などは異なります。

単価だけでなく、年間総額と料金変動リスクを含めて比較することが重要です。

3.最大需要電力を確認する

工場や中規模以上のビルなど、多くの電気を使う事業所では、過去12カ月の最大需要電力を確認しましょう。

設備の稼働時間を分散させたり、デマンド監視装置を活用したりすることで、基本料金を抑えられる可能性があります。

4.太陽光発電やPPAを検討する

日中の電力使用量が多い工場、倉庫、店舗などでは、自家消費型太陽光発電との相性が良い可能性があります。

初期投資を抑えたい場合は、第三者が設備を設置し、発電した電気を購入するPPAという方法もあります。

電力会社から購入する電力量を減らすことで、電力量料金だけでなく、再エネ賦課金の負担軽減にもつながります。

5.電力使用量を見える化する

電気料金の請求書だけでは、どの設備に削減余地があるのかまでは分かりません。

30分単位の電力使用量や設備ごとの稼働状況を確認することで、次のような無駄を発見できる可能性があります。

•使用していない時間帯も動いている設備

•必要以上に長い暖機運転

•空調と換気設備の過剰運転

•複数設備の同時起動

•休日や夜間の待機電力

電気代削減は「我慢」ではなく「経営改善」の第一歩

企業の電気代対策は、従業員に無理な節電を強いることではありません。

最適な判断を続けた結果として、自然とコストが下がり、さらには脱炭素にもつながる。これが私たちの考える理想の形です。

電力契約を適正化し、最大需要電力を抑え、必要に応じて太陽光発電や再生可能エネルギーを導入することが、経営を最適化し、継続的なコスト削減につながります。

また、電力市場や燃料価格の変動が続く状況では、目先の単価だけでなく、将来の価格変動リスクも考えて契約を選ぶ必要があります。

私たち「タンソーマンGX」が提供する無料の導入サービス「デンキチェック」では、企業の電気料金明細を分析し、複数の電力会社のプランを比較します。

電力会社の切り替えだけでなく、再生可能エネルギー電力、自家消費型太陽光発電、PPA、省エネ設備などを含め、企業ごとの電力使用状況に合った最適な方法をご提案します。

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※本記事は、株式会社タンソーマンGXの公式note(2026年6月18日掲載)からの転載です。noteで読む

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