
この記事では、愛知県と名古屋市が2026年度(令和8年度)に実施した事業者向けの脱炭素補助金を整理します。対象者・対象設備・補助率と上限・受付期間に加え、2026年10月21日時点でいずれの制度も受付を終了していることと、次年度への備え方が分かります。
愛知県と名古屋市の制度の全体像
名古屋市内の事業所は、愛知県の制度と名古屋市の制度の両方が候補になります。2026年度の主な制度は次の3つです。
- 愛知県 再生可能エネルギー設備導入支援事業費補助金:自家消費型の太陽光発電、蓄電池など
- 愛知県 省エネルギー設備等導入支援事業費補助金:高効率空調・照明などの省エネ設備と、建築物のZEB化
- 名古屋市 中小企業省エネルギー設備等導入補助金:高効率空調、LED照明、太陽光発電、蓄電システム
愛知県 再エネ設備
- 太陽光は1kWあたり4万円
- 中小企業等の上限1,000万円
- 6月8日に予算到達で終了
愛知県 省エネ設備
- 省エネ設備は1/3・上限700万円
- 省エネ設備は6月8日に終了
- ZEB化は7月31日に終了
名古屋市 中小企業
- 空調・LEDは1/2・上限100万円
- 太陽光は1kWあたり5万円
- 8月31日で受付終了
愛知県・名古屋市の公式ページによる。
愛知県:再生可能エネルギー設備導入支援事業費補助金
県内の事業者が、自家消費を目的とした再エネ設備を導入する費用を補助する制度です。
対象者
県内で事業を営む法人と個人事業主が対象です。大企業は、低炭素水素サプライチェーン構築の一環として、低炭素水素の製造関連設備に再エネ設備を設置する場合に限られます。
対象設備と補助率
- 太陽光発電:定額で1kWあたり4万円。上限は中小企業等が1,000万円、大企業が750万円
- 蓄電池:中小企業等は3分の1、大企業は4分の1
- 風力・バイオマス・水力発電、水素関連設備、エネルギーマネジメントシステム、太陽熱・地中熱利用設備:中小企業等は3分の2、大企業は2分の1
設備でつくった電気や熱を、設置した事業場で事業者自らが消費すること(自家消費)、FIT・FIP制度の認定を受けた発電事業に使わないことが要件です。
受付状況
受付期間は2026年6月8日から7月31日まで(先着順)の予定でしたが、交付申請の総額が予算枠に達したため、受付初日の6月8日に受付を終了しました。予算執行額は9,175万4千円です。
愛知県:省エネルギー設備等導入支援事業費補助金
省エネ設備の導入と、建築物のZEB化(使うエネルギーを大幅に減らした建物にすること)を補助する制度です。省エネ設備を導入する法人は中小企業等に限られます。
- 省エネ設備(高効率空調機器、高機能換気設備、高効率照明機器、高効率給湯機器、コージェネレーションシステム):補助率3分の1、上限700万円
- ZEB化:新築は「ZEB」3/5・「Nearly ZEB」1/2・「ZEB Ready」1/3、既存は「ZEB」「Nearly ZEB」2/3。上限1,700万円
省エネ設備の区分は予算執行額2,989万6千円で、6月8日に予算枠に達して受付を終了しました。ZEB化の区分は7月31日に受付を終了しています。
名古屋市:中小企業省エネルギー設備等導入補助金
市内の中小企業者等が行う省エネ設備や太陽光発電設備の導入を補助し、エネルギー価格高騰への支援と省エネ・再エネの拡大を図る制度です。国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用しています。
対象者と要件
- 名古屋市内の事業所に設備を導入する中小企業者等(みなし大企業は除く)。申請者の本社が市外でも、設置する事業所が市内なら申請できます。
- リースや電力販売契約(PPA)で再エネ設備を導入する場合は、リース事業者等と利用者(中小企業者に限る)の共同申請で、補助金全額を利用者に還元することが条件です。
- 「なごやSDGsグリーンパートナーズ」に登録・認定されているか、申請中であること。
- 2者以上から見積書を取り、補助対象経費が最も安い事業者から導入すること。
補助額と予算
- 高効率空調設備・LED照明:補助対象経費の2分の1、両方合わせて上限100万円(予算額2億8,000万円)
- 太陽光発電設備:1kWあたり5万円、上限250万円
- 蓄電システム:1kWhあたり3万円、上限45万円(太陽光発電設備と同時に導入する場合に限る)
再エネ設備(太陽光・蓄電システム)の予算額は3,200万円でした。基礎工事費、撤去・処分費、設計費などは補助対象外です。
受付状況
受付期間は令和8年5月25日から8月31日までで、8月31日をもって受付を終了しました。交付決定を受けた事業の完了と実績報告の期限は令和8年12月28日で、やむを得ない理由がある場合に限り令和9年2月15日まで延長できるとされています。
- 事前準備グリーンパートナーズ登録、2者見積
- 交付申請郵送または電子申請
- 交付決定決定前の契約・着工は対象外
- 導入・実績報告期限内に完了して報告
- 額の確定・請求確定後に補助金を受け取る
次年度に向けて準備しておきたいこと
愛知県の2つの補助金は受付初日に予算に達し、名古屋市の補助金も期限で締め切られました。補助率や対象設備は年度ごとに見直されることがあるため、次年度に同様の制度が実施されるかどうかは公式発表を待つ必要があります。そのうえで、次の準備は制度の詳細が決まる前から進められます。
- 導入したい設備の容量、設置場所、見積(複数社)の準備
- 名古屋市の「なごやSDGsグリーンパートナーズ」への登録など、申請の前提となる登録
- 愛知県の「あいち脱炭素経営支援プラットフォーム」による省エネ診断などの活用
- 国の補助金(省エネ・非化石転換補助金など)も候補に入れた比較
国の太陽光・蓄電池の補助制度については、蓄電池・太陽光の補助金解説もご覧ください。
まとめ
- 愛知県の再エネ設備補助金(太陽光1kWあたり4万円など)と省エネ設備補助金(1/3・上限700万円)は、2026年6月8日に予算到達で受付を終了しました。
- 名古屋市の中小企業省エネルギー設備等導入補助金(空調・LEDは1/2・上限100万円、太陽光は1kWあたり5万円)は、8月31日で受付を終了しています。
- 受付開始直後に予算に達する制度があるため、次年度に向けて見積や登録などの準備を先に進めておくことが大切です。
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参考資料
- 愛知県「再生可能エネルギー設備導入支援事業費補助金・省エネルギー設備等導入支援事業費補助金事業について」
- 名古屋市「中小企業省エネルギー設備等導入補助」
- 名古屋市「中小企業省エネルギー設備等導入補助金 申請の手引き」(令和8年4月、PDF)
- 愛知県「あいち脱炭素経営支援プラットフォーム」
本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。



