公開 2026.10.21

LED照明の更新に補助金は使えるか 制度ごとの扱い

照明のLED化は省エネ効果が分かりやすい一方で、「補助金の対象になるかどうか」は制度によって扱いが大きく異なります。この記事では、国の省エネ・非化石転換補助金(令和7年度補正予算)でLED照明がどう扱われているか、自治体の補助金の例、蛍光ランプの製造終了の動きを踏まえた更新の考え方を解説します。

国の省エネ補助金では「制御機能付き」が条件

SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)の省エネ・非化石転換補助金では、照明は指定設備の「制御機能付きLED照明器具」として扱われています。対象は、照明器具と制御装置を組み合わせて明るさを自動で調整する「調光制御設備」で、次の3種別です。

  • 無線式調光制御設備
  • 有線式調光制御設備
  • 人感・明るさセンサ付調光制御設備

つまり、蛍光灯の器具をLED器具に替えるだけの単純な交換は、この補助金の指定設備には当たりません。対象範囲は照明器具、リモコン、制御装置、センサーです。

制御機能付きLED照明器具の主な基準

令和7年度補正予算(4次公募)の設備単位型公募要領に示された基準のうち、主なものは次のとおりです。

  • 効率:照明器具の固有エネルギー消費効率が、昼光色・昼白色・白色で100lm/W以上、温白色・電球色で50lm/W以上
  • 調光:調光信号で出力を連続的に制御でき、調光下限値が35%以下であること
  • 制御器:調光信号を送り、25台以上の照明器具を制御できること
  • 制御方式:スケジュール制御、明るさセンサによる一定照度制御、人感センサによる在・不在の調光制御のうち一つ以上を採用すること

センサについても基準があります。人感センサは、センサから直線距離2.5m以上を検知できること、人がいないときの減光時の光束が感知時の30%以下に設定されていることが求められます。明るさセンサは、感知した光量に応じて調光できることが条件です。照明器具と照明制御器は、原則として同一メーカーの組み合わせとされています。

また、次のものは対象外です。

  • 既設の照明器具の改造を伴うもの
  • 蛍光ランプ、白熱電球、放電ランプ、電球形LEDランプと互換性のある口金を持つもの
  • コンセントから給電する照明器具
国の省エネ補助金(設備単位型)でのLED照明の扱い

対象になる

  • 調光制御設備としての導入
  • 無線式・有線式・センサ付
  • 器具ごと交換し制御器と組み合わせる

対象にならない

  • LED器具への単純な交換
  • 直管LEDランプ等の口金互換品
  • 既設器具の改造・コンセント給電

SII 設備単位型 公募要領<4次公募用>の別表1より。

補助率と経費の範囲

設備単位型の従来枠では、補助率1/3以内、上限額1億円、下限額30万円です。補助対象経費は設備費のみで、取付工事費や配線材料費、既存器具の撤去・廃棄費は対象外です。更新による省エネ率10%以上、省エネ量1kl以上、経費当たり省エネ量1kl/千万円以上のいずれかを満たす必要があり、制御機能付きLED照明器具には指定計算の手引きが用意されています。

照明だけでなく空調や生産設備も含めて事業所全体の省エネを図る場合は、工場・事業場型の指定設備としても制御機能付きLED照明器具が含まれています。照明の制御を、計測・見える化を行うEMSと組み合わせる計画であれば、エネルギー需要最適化型と組み合わせた申請も検討できます。

自治体の補助金ではLED交換が対象になる例も

都道府県や市区町村の補助金では、制御機能のないLED照明への更新も対象にしている例があります。たとえば神奈川県の「中小企業省エネルギー設備導入費等補助金」(令和8年度)では、既存設備の更新事業の対象にLED照明設備(誘導灯を含む)が挙げられています。ただし、光源部のみの交換や、LED照明からLED照明への交換は除かれています。

同補助金の補助率は1/3、上限は500万円(県の認定・認証制度の対象事業者は600万円)で、年間のエネルギー起源CO2削減量が3t以上であることなどが条件です。そのほか、既存設備と導入設備を申請者が所有していること、導入設備が未使用品であること、申請時点で工事に着手していないこと、削減量をJ-クレジットに登録しないこと、トップランナー基準などの性能基準を満たすことも求められます。なお、令和8年度は申請額が予算額に到達したため、2026年8月6日に受付が締め切られています。このように自治体の制度は先着順で早く締め切られることが多いため、年度初めから情報を確認しておくことが大切です。探し方は「地域の補助金の探し方」で解説しています。

蛍光ランプの製造終了を見据えた計画を

水銀に関する水俣条約の締約国会議の決定を受け、一般照明用の蛍光ランプは、種類に応じて2025年末から2027年末までに製造と輸出入が段階的に廃止されます(環境省資料)。廃止期限後も在庫品の販売や既存の器具の使用は可能ですが、交換用ランプの入手は次第に難しくなります。

更新を急ぐ必要がある一方で、補助金を使う場合は交付決定前に発注できません。照明の台数が多い事業所では、次の順で検討すると無理がありません。

  • 器具の台数・設置年数・点灯時間を一覧にする
  • 調光制御を入れる価値がある場所(事務所、倉庫、売場など)と、単純交換でよい場所を分ける
  • 国の制度(制御機能付き)と自治体の制度(単純交換)のどちらに当てはまるかを整理する
  • 公募時期に合わせて見積と申請の準備を進める
  • 調光制御を入れる場合は、スケジュールや照度の設定を導入後に誰が管理するかを決めておく

また、国の補助金と自治体の補助金を同じ設備に重ねて使えるかどうかは、制度ごとのルールによります。省エネ・非化石転換補助金の公募要領では、補助対象経費が重複する他の補助金との併用はできないとしつつ、地方公共団体の一般財源による補助金との併用は認めるとしています。判断に迷う場合は、SIIと自治体の双方に確認することが求められています。

補助金の対象設備や基準は年度ごとに見直されます。申請する回の公募要領で確認してください。

タンソーマンGXでは、照明更新に使える国・自治体の制度の選定から、省エネ計算、申請書類の作成、実績報告までを支援しています。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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