公開 2026.10.21

中小企業成長加速化補助金 売上100億円を目指す企業向け

この記事では、売上高100億円を目指す中小企業向けの「中小企業成長加速化補助金」について、補助上限・補助率、対象となる企業と経費、賃上げ要件、審査の進み方を解説します。2026年10月21日時点で受付中の3次公募(令和7年度補正予算)の公募要領に沿ってまとめています。

中小企業成長加速化補助金とは

中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指して大胆な投資を行う中小企業を支援する補助金です。事務局は「中小企業成長加速化補助金事務局」で、公募要領や様式は中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する「100億企業成長ポータル」で公開されています。

公募要領では、売上高100億円規模の企業は賃金水準が高く、輸出による外需の獲得やサプライチェーンへの波及効果も大きいことから、こうした企業を地域から生み出すことが目的とされています。

3次公募の主な条件は次のとおりです。

  • 補助上限額:5億円
  • 補助率:1/2
  • 補助事業期間:交付決定日から24か月以内
  • 受付期間:令和8年9月29日(火)〜令和8年11月12日(木)15:00(当初の10月29日から延長)
  • 申請方法:電子申請システム「Jグランツ」のみ。利用には「GビズID」(行政手続き用の共通アカウント)が必要です

事務局の概要資料では、令和7年度補正予算による公募は3次公募で終了となる見込みとされています。次回以降の公募の有無や条件は変わる可能性があるため、100億企業成長ポータルの最新情報を確認してください。

対象となる企業の要件

補助対象者は、中小企業等経営強化法に定める「中小企業者」であり、次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 売上高が10億円以上100億円未満であること
  • 申請時までに「100億宣言」が100億企業成長ポータルで公表されていること
  • 日本国内に本社と補助事業の実施場所があること
  • 直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  • 大企業が株式の2分の1以上を保有しているなどの「みなし大企業」に当たらないこと

「100億宣言」とは、経営者が売上高100億円という目標を掲げ、その実現に向けた取組を行うことをポータルサイト上で宣言する仕組みです。事務局は、宣言の公表には通常2〜3週間かかるとし、3次公募に応募する場合は令和8年10月26日(月)までに宣言を申請するよう案内しています。これから検討を始める企業は、まず宣言の手続きを急ぐ必要があります。

中小企業に当たるかどうかの判定は、資本金と従業員数の基準によります。詳しくは中小企業の定義と補助金での判定で解説しています。

補助対象となる投資と経費

補助対象となる投資額(建物費・機械装置費・ソフトウェア費のうち資産に計上するもの)の合計が1億円以上(税抜き)であることが要件です。既存の老朽設備を入れ替えるだけで生産能力が上がらない「更新投資」は認められません。

3次公募の補助対象経費
  • 建物費生産施設・倉庫などの建設、増築、改修。単価100万円(税抜き)以上
  • 機械装置費機械装置・工具・器具の購入や製作。単価100万円(税抜き)以上
  • ソフトウェア費専用ソフトウェア・情報システムの構築やクラウド利用。単価100万円(税抜き)以上
  • 外注費・専門家経費上の3つの取得に必要な設計・検査・技術指導。合計は建物費等の合計未満

中小企業成長加速化補助金(3次公募)概要資料・公募要領より作成。

一方で、土地代、建物の単なる購入や賃貸、事務用のパソコンやスマートフォン、公道を走る車両などは対象外です。省エネやエネルギー関連の設備では、売電を目的とした再生可能エネルギーの発電設備(太陽光パネルなど)は補助対象外と明記されています。工場の新設に合わせて設備を導入する場合も、どの経費が対象になるかは公募要領の対象外経費の一覧で確かめてください。

賃上げ要件と補助金返還の仕組み

この補助金では、補助事業が終わった後の賃上げが要件になっています。補助事業が完了した事業年度を「基準年度」とし、その3事業年度後(最終年度)までに、従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率を、全国の最低賃金の直近5年間の年平均上昇率である4.5%(基準率)以上にする必要があります。

  • 申請時に基準率以上の目標を掲げ、交付決定までに従業員等へ表明する
  • 目標は「従業員の給与支給総額」か「従業員1人当たり給与支給総額」のどちらかを申請時に選ぶ(後から変更できない)
  • 目標を達成できなかった場合は、未達成率に応じて補助金の返還を求められる(天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合を除く)
  • 表明をしていなかった場合や、基準年度の給与水準が申請時の直近年度を下回った場合は、全額返還の対象となる

設備投資の計画と同時に、人件費の見通しを5年程度の事業計画に織り込んでおくことが欠かせません。

審査の流れと評価のポイント

審査は、書面による1次審査と、経営者本人によるプレゼンテーションの2次審査の2段階です。事務局の概要資料では、1次公募の採択倍率は約6.0倍、2次公募は約3.9倍とされています。

3次公募の主なスケジュール
  1. 100億宣言公表まで通常2〜3週間
  2. Jグランツで申請11月12日(木)15:00締切
  3. 1次審査(書面)結果通知は1月中旬の予定
  4. 2次審査(プレゼン)2月15日〜3月5日の予定
  5. 採択・交付申請3月下旬以降に公表。採択から2か月以内に交付申請

日程は概要資料に示された目安で、変更される場合があります。

2次審査では代表権を持つ経営者の出席と説明が必須で、外部のコンサルティング会社の同席は認められていません。ただし「金融機関による確認書」を提出した場合は、その金融機関の担当者の同席が認められます。

審査項目には、売上高100億円に向けた中長期のビジョン、売上高や付加価値の成長率、売上高に占める投資の比率、賃上げ計画の持続性、市場や競合の分析に加え、財務状況(ローカルベンチマーク)や金融機関のコミットメントが含まれています。メインバンクと早い段階で投資計画を共有しておくと、資金調達と審査の両面で備えやすくなります。融資との組み合わせ方は融資と補助金の組み合わせでも解説しています。

申請前に確認しておきたいこと

  • 売上高、資本金、従業員数、株主構成が要件に合っているか
  • 100億宣言の申請が締切に間に合うか
  • 投資額1億円以上で、更新投資ではなく生産能力などが向上する投資か
  • 賃上げ目標を達成できる人件費計画になっているか
  • 国の他の補助金と同じ内容の事業を重ねて申請していないか

補助率や要件は公募回ごとに見直されています。3次公募の公募要領も公開後に複数回更新されているため、申請前には必ず最新版を確認してください。

タンソーマンGXでは、設備投資に使える補助金の選定から事業計画の作成、交付申請、実績報告までを支援しています。工場や物流拠点の新設に合わせた省エネ・再エネ設備の検討もご相談いただけます。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

使える補助金の診断は無料です
設備の種類・設置予定地・おおよその規模をお知らせいただければ、
使える制度と補助額の目安をご案内します。制度の選定から申請書類の作成、実績報告まで一式で支援します。
脱炭素の最初の一歩を、一緒に。 タンソーマン タンソーマンを知る ↗