公開 2026.10.21

中小企業省力化投資補助金 カタログ注文型と一般型の違い

この記事では、中小企業省力化投資補助金の「カタログ注文型」と「一般型」の違いを、2026年10月時点で公表されている公募要領をもとに整理します。どちらの型が自社の設備投資に合うか、補助率や上限額、申請の手間の違いが分かります。

中小企業省力化投資補助金とは

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業等が、IoTやロボットなど人手不足の解消に効果がある設備を導入する費用の一部を補助する制度です。売上拡大や生産性の向上を後押しし、賃上げにつなげることを目的としています。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が実施しています。

この補助金には、次の2つの申請類型があります。

  • カタログ注文型:国があらかじめ省力化効果を認めてカタログに登録した汎用製品の中から選んで導入する
  • 一般型:事業者ごとの業務や工場・店舗の環境に合わせて設計した「オーダーメイド設備」を導入する

オーダーメイド設備とは、ICT、IoT、AI、ロボット、センサーなどを使い、外部のシステムインテグレータ(SIer:設備やシステムを組み上げる事業者)との連携などを通じて、個々の業務に合わせて専用に設計された機械装置やシステムのことです。

カタログ注文型と一般型の主な違い

カタログ注文型と一般型の比較

カタログ注文型

  • カタログ登録済みの汎用製品を選ぶ
  • 販売事業者と共同で申請
  • 補助率1/2以下
  • 上限500万〜1,000万円(賃上げ時750万〜1,500万円)
  • 随時受付

一般型

  • 業務に合わせたオーダーメイド設備
  • 事業者が事業計画書を作成して応募
  • 補助率1/2(小規模事業者等は2/3)
  • 上限750万〜8,000万円(特例で最大1億円)
  • 公募回ごとに締切

中小機構「中小企業省力化投資補助事業」カタログ注文型公募要領(2026年10月20日改訂)、一般型第8回公募要領をもとに作成。

カタログ注文型は、製品の省力化効果が国によって確認済みのため、申請が迅速かつ簡易になっています。一般型の公募要領も、申請を検討する前にカタログ注文型の製品カタログを必ず確認するよう案内しています。一方で、一般型は審査項目が多い分、自社の工程に合わせた大きな投資にも対応できます。

カタログ注文型の概要

カタログ注文型の公募要領(2026年10月20日改訂)では、補助率は1/2以下、補助上限額は従業員数に応じて次のとおりです。カッコ内は大幅な賃上げを行う場合の上限額です。

  • 従業員5人以下:500万円(750万円)
  • 従業員6〜20人:750万円(1,000万円)
  • 従業員21人以上:1,000万円(1,500万円)

補助対象経費は、製品本体価格と、製品本体価格の2割を上限とする導入経費(設置作業、運搬、動作確認、設定など)です。製品本体は、一部のカテゴリを除き単価50万円以上である必要があります。また、製品の購入価格が製品ごとに設定された補助上限額の2倍を上回る場合、補助率は1/2未満になります。

申請は、カタログに掲載された製品の販売事業者と共同で行います。販売事業者からの招待を受けて申請フォームに入る仕組みで、事業者が単独で申請することはできません。受付は随時で、公募要領では令和9年3月末頃までの間に申請を受け付けるとしています。

カタログ注文型の主な要件

  • 人手不足の状態にあることを、時間外労働時間や従業員の減少、求人の実績などで示すこと
  • 補助事業終了後3年間、毎年、労働生産性を年平均成長率3.0%以上向上させる事業計画であること
  • 上限額の引上げを受ける場合は、事業場内最低賃金を3.0%以上、給与支給総額を6.0%以上増加させる計画とし、従業員に表明すること

一般型の概要

一般型の第8回公募要領では、補助率は中小企業が1/2(最低賃金引上げの特例を満たす場合は2/3)、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は2/3です。補助上限額は従業員数に応じて次のとおりで、カッコ内は大幅賃上げの特例を適用した場合の上限です。

一般型の補助上限額(通常時)
  • 101人以上8,000万円
  • 51〜100人5,000万円
  • 21〜50人3,000万円
  • 6〜20人1,500万円
  • 5人以下750万円

特例適用時はそれぞれ1億円、6,500万円、4,000万円、2,000万円、1,000万円。出典:中小機構 一般型 第8回公募要領。

対象経費は機械装置・システム構築費(必須)のほか、運搬費、技術導入費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費などです。事業実施期間は交付決定日から17か月以内です。汎用設備を単体で導入するだけの事業は対象外ですが、導入環境に合わせて周辺機器や機能を変える場合や、汎用設備を組み合わせてより高い効果を生む場合はオーダーメイド設備とみなされます。

一般型の申請ポイントは省力化投資補助金(一般型)の申請ポイントで詳しく解説しています。

どちらを選ぶか

選び方の基本は、導入したい設備がカタログに載っているかどうかです。

  • カタログ注文型が向く場合:導入したい製品がカタログに登録されており、そのまま導入すれば足りる。早く導入したい。事業計画書の作成負担を抑えたい。
  • 一般型が向く場合:工程や建物に合わせて設備を設計・組み合わせる必要がある。投資額が大きく、カタログ注文型の上限では足りない。
型を選ぶ手順
  1. 省力化したい業務を決めるどの作業の時間を減らすか
  2. 製品カタログを確認該当カテゴリと製品を探す
  3. そのまま使えるか判断使えればカタログ注文型
  4. 設計・組合せが必要なら一般型で事業計画を作る

なお、カタログに登録されたカテゴリの製品を一般型で導入する場合は、省力化効果が十分に見込めると認められ、審査で一部考慮されます。ただし、製品をそのまま導入するのではなく、周辺機器や構成を変える場合などに限られます。

申請前に共通して準備すること

  • GビズIDプライムアカウント:どちらも電子申請で、取得に時間がかかる場合があります。詳しくはGビズIDプライムの取り方をご覧ください。
  • 決算書と従業員名簿:上限額は従業員数で決まり、労働生産性の計算に決算の数字を使います。
  • 賃上げ計画:上限額の引上げや要件の達成に関わるため、無理のない目標を社内で決めておきます。
  • 交付決定前に発注しない:どちらの型も、交付決定前の購入や契約は補助対象外です。

一般型は、第8回の応募申請が2026年10月16日に締め切られ、第9回は2026年11月上旬に公募開始、12月上旬に申請受付開始、12月下旬に締切の予定と公表されています。要件や上限額は公募回や改訂で変わることがあるため、最新の公募要領で確認してください。

まとめ

カタログ注文型は登録済み製品を販売事業者と一緒に手早く導入する仕組み、一般型は自社の工程に合わせた設備を事業計画書で審査を受けて導入する仕組みです。まず製品カタログを確認し、そのまま使える製品があればカタログ注文型、設計や組合せが必要なら一般型を検討するのが基本です。

タンソーマンGXでは、省力化投資補助金の型の選定から、事業計画書の作成、実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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