
この記事では、埼玉県が令和8年度(2026年度)に実施している事業者向けの省エネ・再エネ補助金を3つに分けて整理します。それぞれの対象者・対象設備・補助率と上限・募集期間、そして2026年10月21日時点の受付状況が分かります。
埼玉県の事業者向け補助金は3本立て
埼玉県の事業者向けの補助金は、所管課と目的によって次の3つに分かれています。名前が似ているため、どれに当たるかを最初に確かめることが大切です。
- 企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金(環境部エネルギー環境課):太陽光発電・蓄電池などの再エネ設備が中心。企業規模の限定はなし
- スマートCO2排出削減設備導入事業(令和8年度予算):中小企業等の高効率設備への更新や、蓄電池と組み合わせた太陽光発電の導入など
- CO2排出削減設備導入補助金【緊急対策枠】(令和7年度補正予算):中小企業等の設備更新を補助率2分の1で支援
スマートCO2排出削減設備導入事業と緊急対策枠は併用できません。また、企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金は、同様の制度を持つ一部の市町村(さいたま市、新座市、秩父市、所沢市、春日部市、久喜市)の補助金との併用ができません。
省エネ・再エネ活用設備
- 民間事業者
- 太陽光5万円/kW、蓄電池1/3
- 3次募集は11月9日17時必着
スマートCO2排出削減
- 中小企業等
- 補助率1/3(EMSは1/2)
- 追加募集は10月23日まで
緊急対策枠
- 中小企業等
- 補助率1/2、上限500万円
- 初回枠は終了
各制度の埼玉県公式ページによる(2026年10月21日時点)。
企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金
県内の事業所に省エネ・再エネ活用設備を導入する民間事業者に対し、予算の範囲内で補助する制度です。
対象者
埼玉県内の事業所で、「埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者(企業等向け)」の認定を受けた事業者との契約により設備を導入する民間事業者が対象です。施工会社がこの認定を受けているかどうかを、契約前に確認する必要があります。
対象設備と補助率
- 太陽光発電設備:1kWあたり5万円。蓄電池:補助対象経費の3分の1(太陽光と蓄電池の合計で上限1,500万円)
- 埼玉版スーパー・シティプロジェクト参加市町村の取組に位置付けられた事業は、太陽光1kWあたり7万円、蓄電池2分の1
- その他の再エネ発電設備(水力・バイオマス):3分の2(上限1,500万円)
- 熱利用設備(太陽熱・バイオマス熱・地中熱):3分の2(上限1,500万円)
- その他基盤インフラ設備(自営線、蓄熱設備、熱導管、エネルギーマネジメントシステム):3分の2(スーパー・シティ該当事業は4分の3)
- コージェネレーションシステム:2分の1(上限2,500万円)
太陽光の出力は、モジュールの公称最大出力の合計とパワーコンディショナーの定格出力の合計のうち、低い方で計算します。
募集期間と受付状況
令和8年度は3回に分けて募集されています。初回(7月6日〜7月24日、予算8,983万円)と2次(8月17日〜9月14日、予算約4,000万円)は終了し、3次募集が令和8年10月13日から11月9日17時必着で行われています。3次募集の予算は約1,500万円です。
この補助金は先着順ではなく、期間内に不備なく提出された申請が審査対象になります。申請は書類一式のメール送付で、見積書は契約予定事業者以外からも原則1者以上の取得が求められます。交付決定後は、設備の稼働後1年ごとに3年間、実績の報告が必要です。
スマートCO2排出削減設備導入事業(令和8年度)
県内中小企業等のエネルギー使用量とCO2排出量を減らすため、設備の高効率化や再エネ設備の導入を補助する制度です。
- 対象者:県内で事業を営む法人・個人事業主。会社は中小企業基本法の中小企業者に限る
- 対象事業所:申請時点で1年以上(再エネ設備を設置する場合は1か月以上)営業している県内の事業所
- 対象事業:①高効率省エネ設備への更新(照明は対象外)、②再エネ利用設備の導入(年間発電量の65%程度を目安に自家消費。太陽光は蓄電池の設置を伴うものに限る)、③CO2排出量の少ない燃料等の設備への更新、④EMS(エネルギー管理システム)と①〜③の同時導入
- 補助率と上限:①③は3分の1・上限300万円、②は3分の1・上限500万円、④は2分の1・上限1,000万円
- 主な条件:年間CO2削減量3トン以上。④は原油換算で年間50kL以上を使う事業所。補助対象経費30万円以上
追加募集(④は三次募集)の受付期間は令和8年9月28日から10月23日までで、電子申請で受け付けています。先着順ではなく、書面審査で費用対効果の高い事業から予算の範囲内で選ばれます。
CO2排出削減設備導入補助金【緊急対策枠】
国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した、令和7年度補正予算の制度です。令和8年4月27日から受付が始まりました。
- 補助率と上限:補助対象経費の2分の1、1事業所あたり上限500万円
- 対象者:県内で1年以上事業を営む法人・個人事業主(会社は中小企業者に限る)
- 対象事業:補助対象経費60万円以上の、高効率設備への更新(15年以上使用している設備。照明は対象外)、再エネ設備の導入(太陽光は蓄電池と同時導入)、燃料転換など
- 予算額:初回枠11億円、リピーター枠(過去に緊急対策枠の受給実績がある方)9億円
初回枠は令和8年7月27日に予算額に達して受付を終了し、補欠申請も8月21日に締め切られました。リピーター枠は、8月21日の県の告知時点では予算額に達するまで受付を続けるとされています。最新の状況は公式ページで確認してください。
- 設備を決める再エネか、設備更新か
- 企業規模を確認中小企業者に当たるか
- 市町村の制度を確認県の制度と併用不可の場合あり
- 施工会社を確認あんしん事業者の認定など
- 見積と申請募集期間内に不備なく提出
申請で注意したいこと
埼玉県は緊急対策枠のページで、「自己負担なし」や「後日のキャッシュバック」をうたう不適切な営業や、契約書の二重作成・経費の水増しによる不正申請に注意を呼びかけています。不正が判明した場合、交付決定の取消しや補助金の返還請求の対象となり、申請者自身が責任を問われます。
また、太陽光発電の補助では、いずれの制度も「自家消費」が前提です。スマートCO2排出削減設備導入事業と緊急対策枠では、太陽光は蓄電池とセットでなければ対象になりません。補助率や対象設備は年度ごとに見直されることがあるため、申請の直前に最新の募集要領を確認してください。
さいたま市内の事業所では、市独自の制度もあります。詳しくはさいたま市の事業者向け太陽光・蓄電池補助金で整理しています。
まとめ
- 太陽光・蓄電池なら「企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」。3次募集は令和8年11月9日17時必着で、先着順ではありません。
- 中小企業の設備更新なら「スマートCO2排出削減設備導入事業」(追加募集は10月23日まで)と「緊急対策枠」。両者は併用できません。
- 市町村の制度との併用可否、施工会社の認定の有無を、見積の段階で確認しておくことが重要です。
タンソーマンGXでは、埼玉県・市町村・国の制度の中から事業所に合った補助金を選び、申請書類の作成から実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。
参考資料
- 埼玉県「令和8年度 企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」
- 埼玉県「令和8年度 スマートCO2排出削減設備導入事業」
- 埼玉県「令和7年度補正予算 CO₂排出削減設備導入補助金【緊急対策枠】」
- 埼玉県「中小企業者向けカーボンニュートラル・省エネ支援制度の御案内」
本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。



