公開 2026.10.22

中古設備は補助対象になるか 制度ごとの扱いと注意点

この記事では、中古の機械や設備を補助金で購入できるかを、制度ごとに整理します。設備投資の費用を抑えるために中古品を検討する企業は少なくありませんが、補助金によって扱いがはっきり分かれます。令和8年度の公募要領をもとに、中古が条件付きで認められる制度と認められない制度、検討するときの手順が分かります。

中古設備の扱いは制度で正反対

中古設備を対象にするかどうかは、それぞれの補助金の目的で決まります。生産性の向上や新しい事業への投資を支援する補助金では、価格の妥当性が確認できれば中古も認める例があります。一方、省エネやCO2削減の効果を求める補助金は、性能が確かめられた新品を前提にしているものがほとんどです。

中古設備の扱い(令和8年度の公募要領など)

条件付きで対象

  • 新事業進出・ものづくり補助金:古物商の許可を持つ中古品流通事業者3者以上の相見積もりがあれば対象

対象外

  • 中小企業省力化投資補助金(一般型)
  • 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)
  • 環境省 ストレージパリティ事業(太陽光・蓄電池)
  • 東京都 地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業

税制も新品が前提

  • カーボンニュートラル投資促進税制
  • 中小企業経営強化税制

各制度の公募要領・手引き・Q&Aより作成。条件は公募回ごとに見直されます。

条件付きで認められる制度:新事業進出・ものづくり補助金

中小機構が事務局を務める「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募要領(公募期間は2026年6月29日〜10月30日18時)では、機械装置・システム構築費について次のように定めています。

  • 3者以上の古物商の許可を得ている中古品流通事業者から、型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合には、中古設備も対象になる
  • 中古市場で広く流通していないなど、価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費は対象外(上記の相見積もりを取得している場合などを除く)

つまり、中古であること自体ではなく、価格が適正かを客観的に示せるかが問われています。1社の中古販売店から見積もりを取るだけでは足りず、古物商の許可を持つ別々の事業者3者以上から、同じ型式・年式がわかる見積もりをそろえる必要があります。

同じ公募要領では、補助対象となる機械装置は単価10万円(税抜き)以上とされ、既存の機械装置の単なる置き換えにかかる経費は対象外です。中古品を使う場合も、新しい事業や付加価値の向上にどう使うかを事業計画で説明する点は変わりません。制度の全体像は「ものづくり補助金の概要と申請の流れ」をご覧ください。

中古が対象外の制度

中小企業省力化投資補助金(一般型)

第8回公募の公募要領では、補助対象外経費として「中古品購入費」が明記されています。人手不足に対応する省力化の設備やシステムは、新品で導入する必要があります。

省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)

SIIの令和7年度補正予算の公募要領(4次公募)では、補助対象設備の要件として「中古品でないこと」が設備の区分ごとに挙げられています。生産設備の基準でも、2015年以降に販売が開始されたモデルであれば最新モデルである必要はないとしたうえで、中古品は対象外としています。古い型式の新品は対象になりうる一方、中古品は認められません。

環境省 ストレージパリティ事業(太陽光・蓄電池)

令和8年度当初予算の公募要領では、太陽光発電設備について「中古、新古、使用済み、リユース品でないこと」を要件にしています。定置用蓄電池などにも同じ趣旨の新品要件があります。中古品だけでなく「新古」品も対象外と明記されている点に注意が必要です。

東京都 地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業

令和8年度の手引き(都内設置・民間事業者向け)では、助成対象外の経費として中古品と予備品が挙げられています。

税制優遇

経済産業省のカーボンニュートラル投資促進税制のQ&Aでは、中古品と貸付設備は対象外とされています。中小企業経営強化税制も、新品の設備の取得が条件です。補助金と税制を組み合わせる計画では、中古品を選んだ時点で税制の対象から外れることを踏まえて比較してください。

中古設備を検討するときの手順

中古品を使いたい場合は、設備を探し始める前に、使う予定の制度で中古が認められるかを確認します。

中古設備で補助金を使うときの手順
  1. 制度の要領を確認中古可否と条件を公募要領・Q&Aで確かめる
  2. 流通事業者を選ぶ古物商の許可を持つ3者以上に依頼
  3. 相見積もり型式・年式が記載された見積書をそろえる
  4. 申請・交付決定事業計画で使い道と価格の妥当性を説明
  5. 交付決定後に契約決定前の発注・契約は対象外

新事業進出・ものづくり補助金の公募要領の条件をもとに作成。他の制度では中古が認められない場合があります。

中古品は一点ものが多く、交付決定を待つ間に売れてしまうことがあります。交付決定の前に契約や手付金の支払いをすると、その経費は補助の対象になりません。売り手に事情を伝え、交付決定後に契約できる物件かを確かめておく必要があります。相見積もりの取り方は「相見積もりの取り方 補助金で求められる見積書の要件」で解説しています。

補助金で取得した設備を中古で売るとき

反対に、補助金で取得した設備を中古として売却する場合も注意が必要です。補助金で取得した設備には処分制限期間があり、その期間内に売却・譲渡・廃棄をするには事前の承認が必要で、補助金の返還を求められることがあります。設備の入れ替えを考えるときは、処分制限期間が過ぎているかを先に確認してください。詳しくは「補助金で取得した設備の処分制限」をご覧ください。

まとめ

中古設備が補助対象になるかは、制度の目的で分かれます。新事業進出・ものづくり補助金は、古物商の許可を持つ流通事業者3者以上の相見積もりがあれば対象になりますが、省力化投資補助金、省エネ補助金、環境省や東京都の再エネ・蓄電池の補助金、主な税制優遇は新品が前提です。条件は公募回ごとに見直されるため、検討の最初に最新の公募要領を確認してください。

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参考資料

本記事の内容は2026年10月22日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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