公開 2026.10.21

系統用蓄電池の補助金申請で必要な書類 接続検討回答書と事業計画

この記事では、系統用蓄電池の補助金「系統用蓄電システム等導入支援事業」(令和7年度補正)の交付申請で求められる書類を解説します。特に準備に時間がかかる系統連系の証明書類(接続検討の回答書など)と、審査で重視される事業計画・3者見積の作り方を、SIIの公募要領と交付申請の手引きに沿って整理します。

申請は「Jグランツ」と「紙のファイル」の両方が必要

本事業の申請は、電子申請システム「Jグランツ」での入力と、申請書類一式を綴じたファイルの郵送の両方で行います。公募要領では、Jグランツでの入力だけでは申請と認められず、必ず書類一式を郵送するよう定められています。

  • 受付締切:2026年11月4日(水)17:00必着
  • 書類はA4判の2穴パイプ式ハードファイルに綴じ、2冊作って1冊をSIIに提出、1冊を申請者が保管
  • 配送状況が確認できる方法(簡易書留など)で郵送。持ち込みは不可
  • 代理・代行申請は受け付けない
  • 書類に不備・不足がある場合は、原則として受理されない

Jグランツの利用にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。制度全体の概要は系統用蓄電池の補助金の解説をご覧ください。

提出書類の全体像

公募要領の提出書類一覧では、共通の提出書類として次のようなものが挙げられています。

交付申請書類の主な構成
  • 申請書・概要交付申請書、経費の配分、役員名簿、実施体制図、申請概要書、導入設備情報
  • 事業計画実施概要書と別冊、資金調達方法、事業実施予定スケジュール、工事の工程表
  • 系統連系一般送配電事業者との系統連系申込み状況を証明する書類、単線結線図、機器配置図
  • 見積・設備見積依頼仕様書、選定理由書、3者分の見積依頼書と見積書、比較表、仕様書
  • 会社・土地・安全登記簿謄本、財務諸表、設置場所の登記簿、説明会実施計画書、広域認定の書類など

SII「令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業」公募要領「3-3. 提出書類一覧」より作成。

このほか、該当する場合のみ、土地の賃貸借契約書、SPCの出資者による履行確約書、リース契約書と計算書、類焼試験の証明書、メーカーの事故の原因と対策を示した資料などが必要です。会社の登記簿謄本は、交付申請日からさかのぼって3か月以内に発行されたものが求められます。

系統連系の証明書類(接続検討の回答書など)

蓄電所を電力系統につなぐには、一般送配電事業者への「接続検討」の申込みと回答、その後の契約申込みと「連系承諾」という手続き(系統アクセス)が必要です。本事業では、補助事業の完了に連系承諾の完了が含まれるため、申請時点でこの手続きがどこまで進んでいるかを示す書類が求められます。

系統アクセスの進み具合と提出する証憑
  1. 接続検討の申込み一般送配電事業者に提出した申込書
  2. 検討の着手・回答予定着手連絡や回答予定日が分かるメールなど
  3. 接続検討の回答工事費負担金や連系時期が示された回答書
  4. 契約申込み・連系承諾連系承諾や工事費負担金の入金を示す書類

交付申請の手引き「No.2-8」の証憑例より作成。申込書・回答書は電力広域的運営推進機関(OCCTO)の様式。

交付申請の手引きでは、申込み内容とあわせて協議の状況と結果が分かる書類を出すこと、系統連系申込みの名義が申請書の「連系契約(予定)者名」と異なる場合は理由と覚書などを添付することが求められています。

補助率と上限額を判断する「最大受電電力」も、系統連系の契約申込み(接続検討段階ではその申込み)の値で判断されます。接続検討の申込み内容と申請書の数字がそろっているかを確認しておく必要があります。

採点審査では「系統連系協議の進捗」が評価項目の一つで、連系時期や工事費負担金の確度が高いほど評価されます。接続検討の回答を得ているかどうかは、申請の準備期間を考える上で最も重要な点です。

事業計画で問われること

実施概要書などの事業計画は、採点審査の項目に沿って作ると論点が漏れにくくなります。公募要領の主な採点項目は次のとおりです。

  • 導入計画:系統連系協議の進捗、工期やスケジュールの妥当性(法的手続き、機器納期、工事物量などの裏付け)
  • 活用計画:市場に供出する電力の割合(活用電力率)、年間の活用電力量の割合、出力制御が起きやすい4・5月の昼間に充電する卸電力市場での取引割合
  • 事業性:容量市場・需給調整市場・卸電力市場などを使ったビジネスモデルの構造と収支の根拠、実施体制や類似事業の経験、リスク分析
  • リスク対策:火災への安全対策、情報セキュリティ、早期復旧の体制、サプライチェーン途絶への備え
  • その他:資源循環、騒音対策、地域への貢献

公募要領では、収支の良し悪しではなく、試算の根拠が明確で合理的かを評価すると明記されています。市場価格や稼働率の前提を、出典を示して説明することが大切です。

3者見積と土地・地域の書類

3者見積

申請前に3者見積または競争入札で補助対象設備(セル・モジュール・電池システム・蓄電システム・PCSのメーカーと型番)を決めておく必要があります。

  • 見積依頼仕様書を作り、書面で依頼する。特定のメーカーや型番を指定した依頼は対象外
  • 設計・設備・工事を分けて発注する場合は、発注単位ごとに3者見積が必要(SIIのFAQ)
  • 見積依頼先どうしが同一資本関係にある場合、その見積は無効
  • 最安値以外の業者にも発注できるが、補助対象経費は最安値の見積額が上限

土地と地域への説明

設置場所の登記簿謄本の写しに加え、土地の所有者が異なる場合は賃貸借契約書などが必要です。自治体と地権者との協議状況を示す資料(議事録は必須)か、近隣への説明会の実施計画書も提出します。公募要領では、自治体との協議が始まっていない場合や、許認可の見込みを示す資料がない場合は採択しない例として挙げられています。

書類の様式や必要書類は公募回ごとに変わることがあります。申請前にはSIIの最新の公募要領・交付申請の手引き・FAQを確認してください。

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参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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