
この記事では、京都府と京都市が令和8年度(2026年度)に実施している事業者向けの脱炭素補助金を、府の制度と市の制度に分けて整理します。制度ごとの対象・補助額と、2026年10月22日時点で受付中か終了かが分かります。
京都府・京都市の制度の全体像
京都市内の事業所は府と市の両方の制度が候補になりますが、府の太陽光補助のページでは、京都市など独自の補助事業を持つ市町村の制度とは重複して申請できないと案内されています。どちらを使うかは、設備の種類と受付状況で決めることになります。
受付中
- 府 太陽光発電設備等導入促進事業(令和9年1月29日まで・先着)
- 府 自立的地域活用型再エネ設備等導入補助(令和9年1月29日まで・計画認定が前提)
- 市 中小事業者の省エネリノベーション支援(令和9年3月31日まで・先着)
受付終了
- 府 サプライチェーン省エネ推進事業(8月19日締切)
- 市 中小事業者の高効率機器導入促進事業(8月31日締切)
- 市 建築物の太陽光発電設備等上乗せ設置促進(9月17日に予算到達)
各制度の公式ページによる。受付中の制度も予算に達した時点で終了します。
府:太陽光発電設備等導入促進事業補助金
府の再エネ条例による導入義務を超えて太陽光発電設備を設置する場合などに補助する制度です。PPA(発電事業者が設備を設置・所有し、需要家に電気を供給する方式)やリースでの導入も対象です。主な区分は次のとおりです。
- 特定建築主等再エネ導入促進:延床面積300平方メートル以上の事業所等(既存建築物を含む)で、条例の基準を超えて設置する民間事業者。太陽光は1kWあたり5万円または基準超過分の費用の低い方、上限900万円
- 駐車場(ソーラーカーポート):導入費用の3分の1、上限200万円
- 農地・ため池:導入費用の2分の1、上限500万円
- 蓄電池(各区分共通):導入費用の3分の1。上限は業務用で1kWhあたり16.0万円に容量を掛けた額の3分の1と100万円(災害時に地域へ電力を供給する場合は200万円)の低い方
太陽光はFIT・FIPの認定を取得しないこと、発電電力の50%以上を自家消費すること(農地等を除く)が主な要件です。受付は令和9年1月29日まで先着順で、原則として令和9年2月26日までに事業を完了する必要があります。
府:自立的地域活用型再エネ設備等導入補助事業
府の再エネ条例に基づき「自立的地域型再生可能エネルギー導入等計画」の認定を受けた府内の中小企業者等が、認定を受けた再エネ設備と、蓄電池・EMS(エネルギー管理システム)などを導入する費用を補助する制度です。申請受付と問合せは一般社団法人京都知恵産業創造の森が担当しています。
- 受付期間:令和8年5月11日〜令和9年1月29日(予定数に達した時点で終了、申請順に交付決定)
- 前提:補助金の申請前に府の計画認定が必要。認定を受けずに申請することはできません
補助率と上限額は募集要領で定められています。計画認定から始めるため、他の制度より準備期間を長めに見ておく必要があります。
府:サプライチェーン省エネ推進事業補助金
府内に既築の事業所を持つ中小企業者等が、照明・空調・ボイラーなどを省エネ設備に更新する費用を補助する制度です。取引先などサプライチェーン全体の温室効果ガス削減計画に位置づけられた事業や、SBT認定(国際的な削減目標の認定)を取得した事業者の事業などが対象で、太陽光などの再エネ発電設備は対象外です。令和8年度の受付は令和8年6月19日から8月19日までで、現在は終了しています。
市:中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金
京都市が令和8年度7月補正予算で実施している制度で、物価高騰の影響を受ける中小事業者等の光熱費負担の軽減とCO2削減を目的としています。予算額は2億6,000万円です。
- 対象者:京都市内に既築の事業所を持つ中小企業者等(医療法人・社会福祉法人などは従業員数の基準あり)で、5年間「エネルギー消費量等報告書」を提出できる者
- 対象設備:2014年以前製造のエアコンから2025年以降製造品への更新、非LED照明からLEDへの更新、燃料転換を伴う給湯設備の更新、古い業務用冷凍冷蔵設備から省エネ型の指定設備への更新
- 補助額:補助対象経費(税抜の機器費・工事費)の3分の1、上限200万円、下限20万円
- 主な注意点:京都市・京都府・国など他の公的補助金と併用不可。既設設備がない新規設置は対象外
- 交付申請令和9年3月31日まで・先着順
- 審査・交付決定書類がそろってから約2週間
- 工事・事業完了交付決定日以降に着手
- 実績報告完了後30日以内または2028年2月29日の早い方
- 補助金の支払いあわせて消費量報告を5年間
京都市の報道発表資料(令和8年8月12日)より作成。事業完了の期限は2028年1月31日。
市:受付を終えた制度
中小事業者の高効率機器導入促進事業補助金
高効率空調・高機能換気・高効率照明・高効率給湯機器の導入費用の2分の1(上限200万円、下限50万円)を補助する制度です。令和8年度の受付期間は6月19日から8月31日まででした。
建築物の太陽光発電設備等上乗せ設置促進事業
市内の建築物に、市の基準量を1kW以上超えて太陽光発電設備を設置する場合に、1kWあたり5万円(上限1,800万円)を補助する制度です。業務用の蓄電池も併設分として対象でした。令和8年度は申請額が予算額(7,926万5千円)に達し、令和8年9月17日に受付を終了しました。新築・増築の建物の事業開始承認申請は令和9年2月28日まで受け付けていますが、補助の可否は令和9年度予算によるとされています。
まとめ
- 太陽光・蓄電池は、府の太陽光発電設備等導入促進事業補助金が令和9年1月29日まで先着順で受付中です(京都市の独自補助とは重複申請不可)。
- 京都市内の中小事業者の空調・照明・給湯・冷凍冷蔵設備の更新は、市の省エネリノベーション補助(1/3・上限200万円)が令和9年3月31日まで受付中です。
- 府のサプライチェーン省エネ推進、市の高効率機器導入促進と太陽光上乗せ設置促進は受付を終えています。条件は年度ごとに見直されるため、次年度の募集に向けて準備しておくと安心です。
国と府・市の補助金を組み合わせるときの考え方は国・都道府県・市区町村の補助金は併用できるかで解説しています。タンソーマンGXでは、府・市・国の制度から事業所に合った補助金を選び、申請書類の作成から実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。
参考資料
- 京都府「令和8年度京都府太陽光発電設備等導入促進事業補助金」
- 京都知恵産業創造の森「令和8年度 自立的地域活用型再生可能エネルギー設備等導入補助事業補助金」
- 京都府「京都府サプライチェーン省エネ推進事業補助金の募集について」
- 京都市 報道発表「京都市中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金(令和8年度7月補正予算事業)の申請受付の開始」(PDF)
- 京都市中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金事務局
- 京都市「令和8年度京都市中小事業者の高効率機器導入促進事業補助金の募集について」
- 京都市「建築物の太陽光発電設備等上乗せ設置促進事業」
本記事の内容は2026年10月22日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。



