公開 2026.10.21

スーパー・小売店で使える補助金 冷凍冷蔵と空調

この記事では、スーパーや食品を扱う小売店で、冷凍冷蔵ショーケースや空調・照明を更新するときに使える補助金を整理します。環境省の自然冷媒機器の補助、SIIの設備単位型、建物ごとの改修を支援する脱炭素ビルリノベ事業の要件と、2026年10月時点の公募状況が分かります。

店舗で更新が多い設備と制度の対応

食品を扱う店舗では、冷凍冷蔵ショーケースや冷凍機が営業時間外も稼働し、空調と照明も長時間使われます。更新する設備によって、使う制度が分かれます。

スーパー・小売店の設備と主な制度

冷凍冷蔵

  • 自然冷媒のショーケース・冷凍機
  • 環境省のコールドチェーン事業
  • 補助率は原則1/3以下

空調・照明

  • 指定設備への更新
  • SIIの設備単位型
  • 従来枠は1/3以内

建物全体

  • 断熱・空調・照明・給湯をまとめて
  • 脱炭素ビルリノベ事業
  • 既存の業務用建物が対象

冷凍冷蔵ショーケースの自然冷媒化

環境省の「コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業」は、食品小売店舗におけるショーケースその他の脱炭素型自然冷媒機器の導入を対象にしています。自然冷媒とは、CO2やアンモニアなど、フロン類ではない温室効果の小さい冷媒のことです。執行団体は日本冷媒・環境保全機構です。

  • 補助率:原則1/3以下。先進的な中小企業に当たり、審査で上位20%以内の事業者は1/2以下
  • 上限額:1事業者あたり5億円(フランチャイズ形態のコンビニエンスストアは2億5千万円)
  • 申請:郵送等のほか、jGrantsによる電子申請も可能

対象にはショーケースのほか、プレハブ式冷凍・冷蔵保管庫への自然冷媒機器の導入も含まれます。申請は原則としてエネルギー管理を一体で行う事業所(店舗)単位で行い、複数店舗に導入する場合も店舗ごとに申請します。ただし、フランチャイズ形態のコンビニエンスストアは複数の店舗をまとめて申請できます。応募時に機器の設置場所が確定していること、導入によるCO2とフロン類の削減効果を把握していることも求められます。

令和8年度は春公募(4月24日〜5月25日)と秋公募(9月14日〜10月13日)が行われ、いずれも締め切られています。秋公募は複数年度事業に限って実施されました。単年度事業の実施期間は原則として交付決定日から令和9年2月26日までです。次年度の公募に備える場合は、機器の選定と工事時期の検討を早めに始めます(業務用冷凍冷蔵設備の更新に使える補助金)。

空調・照明・冷凍冷蔵設備の更新(SII)

経済産業省の省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)は、SIIが基準を定めて公表した「指定設備」への更新が対象です。指定設備の区分には、高効率空調、冷凍冷蔵設備、制御機能付きLED照明器具、業務用給湯器などが含まれます。

  • 従来枠の補助率は1/3以内、補助金の上限は1億円、下限は30万円
  • 補助対象は設備費のみ。設置に伴う配線・配管などは対象外
  • 省エネ率10%以上、省エネ量1kl以上、経費あたり省エネ量1kl/千万円以上のいずれかを満たすこと

令和7年度補正予算分の4次公募は2026年10月5日から10月30日17時までです。補助金の下限が30万円のため、補助率1/3の場合は設備費がおおむね90万円以上の事業が対象になる計算です。複数の店舗や設備をまとめて計画すると、要件を満たしやすくなります。なお、省エネ法に基づく定期報告の義務がない事業者は、エネルギーの使用の合理化に関する中長期計画をSIIが指定するフォーマットで作成して提出する必要があります。個人事業主の場合は青色申告者に限られ、確定申告書と青色申告決算書の写しの提出が求められます。店舗の運営会社と設備の所有者が異なる場合の扱いは、次の「テナント出店の場合の注意」で説明します。

店舗の建物ごとの省エネ改修

断熱や窓の改修と空調・照明・給湯の更新をまとめて行う場合は、環境省の「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ2026事業)」が候補になります。執行団体はSIIです。

  • 既存の業務用建物が対象(集合住宅は対象外)
  • 主な対象製品は断熱窓、断熱材、高効率空調、制御機能付きLED照明器具、業務用給湯器、BEMS(建物のエネルギー管理システム)
  • 改修後の外皮性能BPIが1.0以下であることや、一次エネルギー消費量を用途に応じて30%または40%程度以上削減することなどが要件
  • 補助率は設備費・工事費・設計費の1/2〜1/3、上限は1事業あたり10億円、下限は200万円
  • 公募期間は2026年6月4日から11月30日まで。予算額に達した場合は期間内でも受付終了

スーパーなどの物販店がどの用途区分に当たるかは、公募要領で確認してください(ZEB化の補助金)。

テナント出店の場合の注意

ショッピングセンターなどにテナントとして出店している場合、空調や照明の設備をビル側が所有していることがあります。補助金の申請者は原則として設備を所有する者になるため、誰が設備を所有しているかを先に確認します。

SIIの公募要領では、リースやESCO(省エネ効果を保証して設備を提供するサービス)を使う場合の共同申請の条件が定められています。ESCOはシェアード・セイビングス契約に限るなど条件があるため、契約形態を決める前に要領を確認してください。設備ごとに所有者、使用者、費用の負担者を一覧にしておくと、誰が申請者になるかを判断しやすくなります。

自治体の制度と屋上・駐車場の太陽光

店舗の屋上や駐車場に太陽光発電を置く場合は、自治体の制度も確認します。東京都の「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」は令和8年度、地域活性化につながる再エネ設備にソーラーカーポートを加え、中小企業等の助成率を4分の3以内としています(ソーラーカーポートの補助金)。自治体の制度は先着順で予算に達すると終わるものがあるため、早めの確認が必要です。

制度の条件は年度ごとに変わります。申請前に最新の公募要領を確認してください。

タンソーマンGXでは、店舗の冷凍冷蔵・空調・照明の更新に使える制度の選定から、申請書類の作成、実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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