公開 2026.10.21

東京都のEV・FCV導入補助 事業用車両の電動化

この記事では、東京都が法人・個人事業主向けに実施しているEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)の購入補助について、令和8年度の対象要件と補助額の組み立て方を整理します。令和8年7月から補助上限が引き上げられた点や、社用車の電動化で使える関連事業もあわせて解説します。

制度の概要(令和8年度)

東京都は、2030年までに都内で新たに販売される乗用車を100%非ガソリン車にすることを目指し、走行時にCO2を出さないZEV(ゼロエミッション・ビークル)の普及を進めています。車両の購入補助は「ZEV普及促進事業」(電気自動車等の普及促進事業・燃料電池自動車等の普及促進事業)として、公益財団法人東京都環境公社(クール・ネット東京)が受け付けています。令和8年度事業の受付は令和8年4月30日に始まりました。

法人・個人事業主の主な要件

  • 東京都内に事務所・事業所を有すること
  • 初度登録日が令和7年4月1日から令和9年3月31日までの車両で、初度登録日から1年以内に申請すること
  • 初度登録日に、経済産業省のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の対象車両であること
  • 車検証の「使用の本拠の位置」が都内であること
  • 車検証の所有者・使用者が助成対象者と同一名義であること(リースや割賦販売の場合は所定の名義の組み合わせ)

自家用と事業用(緑ナンバー)のどちらも対象で、事業用車両は法人または個人事業主のみが申請できます。

補助額の組み立て方

補助額は、基本補助額に自動車メーカー別の上乗せと、購入者の取組による上乗せを積み上げる仕組みです。

EV・PHEVの補助額の構成(令和8年7月1日以降の初度登録)
  • 基本補助額ベース額20万円。外部給電機能があれば10万円を加算
  • メーカー別の上乗せメーカーのGX実現に向けた取組、ZEV乗用車の販売実績、車両ラインナップ数などで決まる
  • 再エネ電力の導入再エネ100%電力メニュー契約または太陽光発電の設置(併用不可)
  • 充放電設備・公共用充電設備V2H・V2Bや公共用充電器の導入で1口最大10万円

最大補助額はEV130万円、PHEV115万円。東京都トピックス資料(令和8年6月)による。

令和8年度の補正予算により、令和8年7月1日以降に初度登録(初度検査)されたEV・PHEVは補助上限が引き上げられました。EVは最大100万円から最大130万円へ、PHEVは最大85万円から最大115万円へ拡充されています。具体的には、ベース額が10万円引き上げられ、メーカーのGX実現に向けた取組の評価による額が最大20万円引き上げられました。令和8年4月1日から6月30日までに初度登録された車両は、引上げ前の補助額です。

購入者の取組による上乗せ

  • 再生可能エネルギー100%の電力メニュー契約:EV・PHEVは15万円、FCVは25万円
  • 太陽光発電システムの設置:EVは30万円、PHEVは15万円、FCVは25万円(電力メニュー契約の上乗せとは併用不可)
  • V2B・V2H、公共用の急速・超急速充電器:1口10万円。公共用の普通充電器は1口5万円

充放電設備などによる上乗せは、クール・ネット東京の該当事業に令和6年4月1日以降に申請していることなどが条件です。また、本体価格840万円以上の高級車は補助額が0.8倍になります。補助額は事業ページの「車両助成金額シミュレーション」で試算できます。

FCVの補助

FCVは基本補助額のベース額が140万円で、外部給電機能があれば10万円が加算されます。メーカー別の上乗せや、再エネ電力の導入による上乗せもあります。都内の区市町村もFCVの対象者になっています。

申請の注意点

  • 上乗せは交付申請前に決める:再エネ電力の導入や充放電設備による増額は、交付決定後に追加で申請することはできません
  • 処分には事前承認が必要:交付決定後に車両を売却・譲渡する場合や、使用の本拠を都外に移す場合、自家用と事業用を切り替える場合も「処分」に当たり、事前の承認が必要です。無届の処分は助成金の返納や違約金の対象になり得ます
  • 充電設備との同時申請:法人・個人事業主がオンラインで申請する場合、設置済みの充電設備を車両と同時に事後申請できる仕組みがあります。ただし充電設備の助成は定額(上限20万円)となり、事前申請とは内容が異なります

社用車の電動化で使える関連事業

  • EVバス・EVトラック導入促進事業:環境省の補助基準額の3/2に後付けの給電機能の装備費用を加えた額(上限4,400万円)など
  • シェアリング・レンタル用車両ZEV化促進事業:カーシェア・レンタカー用のEV・PHEV(最大50万円)など
  • 訪問介護事業所等におけるEV車・EVバイク導入支援事業:都内の訪問介護事業者向け
  • 充電設備普及促進事業:事業所の充電器(解説記事)

国のCEV補助金と都の補助金は併用できる設計になっていますが、それぞれ要件と申請時期が異なります。国の制度はCEV補助金の解説をご覧ください。

まとめ

東京都のZEV購入補助は、メーカーや購入者の取組によって補助額が大きく変わり、令和8年7月以降の初度登録車は上限も引き上げられています。社用車の入替時期、充電設備やV2Hの導入、再エネ電力への切替を合わせて計画すると、上乗せを取りこぼさずに済みます。補助額は年度途中でも見直されることがあるため、申請前に事業ページで最新の内容を確認してください。

タンソーマンGXでは、社用車の電動化に伴う車両・充電設備・再エネ電力の補助金について、制度の組み合わせ方の検討から申請までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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