公開 2026.10.21

東京都の中小企業向け省エネ設備導入支援

この記事では、東京都の中小企業向け省エネ設備の助成制度「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」について、令和8年度の申請区分、助成率と上限額、受付スケジュールを整理します。2026年10月21日時点で次に申請できる回や、令和8年度から変わった提出書類にも触れます。

制度の概要(令和8年度)

本事業は、都内の中小規模事業所で省エネ設備の導入や運用改善を行う中小企業等を支援するものです。制度の所管は東京都産業労働局、申請窓口は公益財団法人東京都環境公社(クール・ネット東京)です。都の資料によれば、業務・産業部門のCO2排出のうち約6割は都内に約63万ある中小規模事業所からのもので、その省エネを進めることが課題とされています。

  • 事業実施年度:令和5年度から令和8年度まで(助成金の交付は令和9年度まで)
  • 令和8年度の事業規模:102.3億円
  • 助成対象者:中小企業等(中小企業、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人など)と、これと共同で事業を行うリース事業者またはESCO事業者
  • 対象経費:設計費、設備費、工事費

事業実施年度は令和8年度までとされているため、令和9年度以降の継続は最新の発表で確認する必要があります。

対象となる設備と取組

対象は、東京都の「都内中小クレジット算定ガイドライン」で削減対策として定められた項目に該当する設備です。

  • 省エネ設備の導入:高効率空調、全熱交換器、LED照明、高効率ボイラー、高効率変圧器、断熱窓、高効率コンプレッサ、高効率冷凍冷蔵設備など
  • 運用改善の実践:人感センサーの導入、照明スイッチの細分化工事など、設備を適切に運転してエネルギーの無駄を抑える取組

あわせて、取組を行う事業所について地球温暖化対策報告書を東京都に提出することが要件です。

3つの申請区分と助成率

申請区分は、CO2の削減量と、計画を誰が作るかで3つに分かれます。交付申請後に区分を変えることはできないため、申請前に慎重に選ぶ必要があります。

申請区分ごとの助成上限額(令和8年度)
  • 28t-CO2以上削減(3/4)4,500万円
  • 診断に基づく計画(2/3)2,500万円
  • 自ら作成した計画(2/3)1,000万円

クール・ネット東京の事業ページの「助成額等」による。

  • 年間CO2排出量を更新前と比べて28トン以上削減:助成率3/4、上限4,500万円
  • 事前に省エネコンサルティング・省エネ診断を受診し、その提案に基づき3トンまたは30%以上削減:助成率2/3、上限2,500万円
  • 事業者が自ら計画を作成し、3トンまたは30%以上削減:助成率2/3、上限1,000万円

診断に基づく区分を使う場合は、クール・ネット東京の「省エネコンサルティング事業」(地球温暖化対策ビジネス事業者による無料の省エネ診断)または「事業所の省エネ診断」を事前に受ける必要があります。省エネ診断は申込が多く、報告書の提出まで時間がかかる場合があると案内されています。診断で作成される書類が、そのまま助成金の要件を満たすとは限らない点にも注意が必要です。

受付スケジュールと抽選

令和8年度は申請受付が年6回に増えました。各回で予算を超えた場合は、先着順ではなく、受付期間中の申請を対象に抽選が行われます。

  • 第1回:令和8年4月21日〜5月8日(終了)
  • 第2回:令和8年6月15日〜6月26日(終了)
  • 第3回:令和8年7月31日〜8月14日(終了)
  • 第4回:令和8年9月16日〜10月2日(終了)
  • 第5回:令和8年11月9日〜11月20日(工事完了届の最終提出期限は令和9年11月30日)
  • 第6回:令和9年1月18日〜1月29日(同上)

受付は開始日9時から最終日17時必着です。2026年10月21日時点では、第5回が次の申請機会になります。終了間際は回線が混み合うため、早めの申請が勧められています。

令和8年度に変わった点と注意点

  • 誓約書の署名:手続代行者が申請する場合、申請者本人が署名または押印した誓約書と同意書の提出が必須になりました
  • 支払の証憑:工事完了時は、振込明細書や通帳の写しなど、口座の入出金が分かる書類が必須です。領収書は基本的に受理されません
  • 契約の時期:交付決定通知書の交付後に工事契約を結ぶ制度です。交付決定前に工事費の支払を求める勧誘は詐欺の可能性があると注意喚起されています
  • 「実質0円」の営業:助成額をキャッシュバックなどに回す行為は不正とされます。助成されるのは対象経費の一部であり、残りは自己負担です
申請から完了までの流れ
  1. 計画・区分の決定必要なら事前に省エネ診断
  2. 交付申請受付期間内に電子申請
  3. 交付決定予算超過の回は抽選
  4. 契約・工事交付決定後に契約
  5. 工事完了届各回の最終期限までに提出

令和7年度に申請した事業者には、工事完了から30日以内に工事完了届を出すよう案内されています。令和8年度分も、各回の最終提出期限より前に完了届を出せるよう、工期に余裕を持たせて計画することが大切です。

まとめ

中小企業向けの省エネ設備助成は、空調や照明の更新に使いやすい一方、区分の選び方で上限額が大きく変わり、抽選もあります。受付回ごとの期間と工事完了届の期限を確認したうえで、どの回に申請するかを計画してください。ZEB水準の大規模な改修を検討する場合はゼロエミッションビル化支援の解説もご覧ください。

タンソーマンGXでは、省エネ設備の補助金について、制度と申請区分の選定から申請書類の作成、工事完了届までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

使える補助金の診断は無料です
設備の種類・設置予定地・おおよその規模をお知らせいただければ、
使える制度と補助額の目安をご案内します。制度の選定から申請書類の作成、実績報告まで一式で支援します。
脱炭素の最初の一歩を、一緒に。 タンソーマン タンソーマンを知る ↗