
この記事では、小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉の第20回公募について、公募要領(第8版)をもとに対象者、補助率と補助上限、対象経費、スケジュールを解説します。あわせて、販路開拓を目的とするこの補助金で、省エネにつながる設備投資がどのように扱われるかを整理します。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら作った経営計画に基づいて行う販路開拓等の取組と、それとあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援する補助金です。物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入といった制度変更への対応を後押しすることを目的としています。
この補助金の特徴は、地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む点です。申請には、商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要です。事務局は、商工会地区と商工会議所地区で分かれています。
申請書類は事業者が電子申請で提出し、補助金は実績報告と額の確定を経て事務局から交付される。出典:第20回公募要領(第8版)。
対象となる事業者
対象は、常時使用する従業員の数が次の人数以下の小規模事業者(一定の要件を満たす特定非営利活動法人を含む)です。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下
- 製造業その他:20人以下
補助事業の終了まで小規模事業者であることが必要です。また、過去に持続化補助金を受けた事業者は、事業効果等の状況報告書を提出済みであることなど、再申請の条件があります。詳しくは公募要領で確認してください。
補助率・補助上限と特例
第20回公募要領では、補助率は2/3、補助上限は50万円です。次の特例に該当する場合は、補助上限が上乗せされます。
上乗せ額はインボイス特例50万円、賃金引上げ特例150万円、両方200万円。出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回公募要領(第8版)。
- インボイス特例:2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった事業者、または2023年10月1日以降に創業した事業者が、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けている場合
- 賃金引上げ特例:2027年4月1日から補助事業実施期限日(2028年3月31日)までの12か月と前年同月の12か月を比べ、従業員1人あたり給与支給総額を3.0%以上増加させる場合。直近の課税所得がゼロ以下の赤字事業者は、補助率が3/4に上がります。
特例を希望して要件を満たせなかった場合は、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されない点に注意が必要です。
対象となる経費と省エネ投資の考え方
補助対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8つです。広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円で、単独では申請できません。
省エネ設備は「販路開拓」との結び付きが条件
この補助金は販路開拓を目的としているため、公募要領では「通常の事業活動のための費用、単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外」とされています。古くなったエアコンや冷蔵庫を省エネ型に替えるだけでは、対象になりません。
一方で、公募要領の対象経費例には「衛生向上や省スペース化のためのショーケース」「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」が挙げられています。新商品の販売や生産拡大といった販路開拓の取組のために導入する設備が、結果として省エネ性能の高いものである、という位置づけであれば対象になり得ます。また、販路開拓とあわせて行う業務効率化の取組も支援対象です。
対象になり得る例
- 生産販売拡大のための冷凍冷蔵庫・オーブン
- 衛生向上や省スペース化のためのショーケース
- 新サービス提供のための製造・試作機械
対象外の例
- 販路開拓につながらない単なる取替え更新
- 家庭用電気機械器具、パソコン、汎用品
- 古い設備の撤去・廃棄費用、自動車等車両
出典:第20回公募要領(第8版)「7. 補助対象経費」。
既存設備の省エネ更新そのものが目的であれば、省エネ補助金など専用の制度が適しています。省エネ補助金「設備単位型」や空調更新に使える補助金もあわせてご覧ください。なお、同じ取組について国の他の補助金と重複して受け取ることはできません。
第20回公募のスケジュールと申請の流れ
第20回公募のスケジュールは次のとおりです(予定は変更される場合があります)。
- 申請受付開始:2026年11月5日(木)
- 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:2026年12月4日(金)
- 申請受付締切:2026年12月15日(火)17時
- 採択発表:2027年3月頃の予定
- 補助事業実施期限:2028年3月31日
- GビズIDプライム取得電子申請に必須
- 経営計画・補助事業計画の作成売上増の根拠を示す
- 様式4の発行依頼地域の商工会・商工会議所へ
- 電子申請・採択採択後に見積書等を提出
- 交付決定後に事業実施発注・支払いは決定後
- 実績報告・効果報告額の確定後に受取り、1年後に報告
様式4の発行には時間がかかる場合があり、締切後の依頼は受け付けられません。申請締切より前の12月4日が実質的な期限になるため、早めに商工会・商工会議所へ相談することが大切です。また、交付決定前に発注・支払いをした経費は対象外です(交付決定前に発注してはいけない理由)。
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓を、商工会・商工会議所の支援とあわせて後押しする制度です。第20回は補助率2/3、補助上限50万円(特例で最大250万円)で、申請受付締切は2026年12月15日です。省エネ設備を含める場合は、単なる更新ではなく、販路開拓や生産拡大の計画の中で必要な設備として説明できるかが鍵になります。補助上限や特例の内容は公募回ごとに見直されるため、最新の公募要領で確認してください。
タンソーマンGXでは、設備投資の目的に合った制度の選定から、申請書類の作成、実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。
参考資料
本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。



