公開 2026.10.21

EV充電器の補助金 国の充電インフラ補助金の概要

この記事では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の充電器を設置するときに使える国の補助金(通称:充電インフラ補助金)について、令和7年度補正予算の公募内容を整理します。対象となる設置場所の区分、補助率、型式ごとの上限額、申請から実績報告までの流れ、令和8年10月時点の公募状況が分かります。

制度の概要(令和7年度補正予算)

正式名称は「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」で、経済産業省の補助金を一般社団法人次世代自動車振興センター(以下、センター)が執行しています。令和7年度補正予算では365億円が措置され、そのうち10億円を工期の長い案件向けの「年度またぎ事業」に充てると公表されています。

充電設備を「新品」で購入して設置する者が対象で、申請できるのは地方公共団体、法人(マンション管理組合法人を含む)、法人格を持たないマンション管理組合、個人(共同住宅のオーナーや居住者等)です。国(省庁等)は申請できません。本補助金はGX予算を財源とするため、オンライン申請システムのアカウント登録時に「財務健全性を担保する事業計画(自己申告書)」の申告が求められます。

設置場所の区分と補助率

補助事業は、充電の目的によって三つに分かれます。

充電インフラ補助金の三つの事業区分(令和7年度補正)

経路充電

  • 高速道路SA・PA、公道上、空白地域
  • 急速充電設備(50kW以上)
  • 設備・工事とも定額(1/1以内)

目的地充電

  • 商業施設、宿泊施設、道の駅、給油所等
  • 急速・普通・コンセント類
  • 設備は定額(1/1以内)または1/2以内、工事は定額

基礎充電

  • マンション、月極駐車場、事務所・工場等
  • 急速・普通・コンセント類
  • 設備は1/2以内、工事は定額(1/1以内)

「定額(1/1以内)」とは、設備については申請者の購入費とセンターが承認した本体価格の低い方、工事についてはセンターが審査した額と工事の補助上限額の低い方で交付額を決める方式です。事務所・工場の従業員駐車場や社用車の駐車場は「基礎充電」に当たり、充電器本体は購入費の2分の1以内、工事費は上限の範囲で定額という組み合わせになります。

対象機種と型式ごとの上限額

補助の対象は、充電設備メーカーの申請に基づきセンターが審査・承認した型式に限られます。承認された型式は「補助対象充電設備型式一覧表」として公表され、令和7年度補正分は2026年9月30日にも更新されています。

充電設備本体の補助金額は、「購入費(税抜)×補助率」と「型式ごと・事業ごとにセンターが定める上限額」の低い方です。一覧表では、急速充電設備の上限額が型式ごとに数百万円単位で定められている一方、普通充電設備や充電用コンセントは数千円から数十万円の範囲です。同じ出力でも型式によって上限額が異なるため、機種を選ぶ段階で一覧表を確認することが重要です。

設置工事費も、工事項目ごとの上限と、事業・設置条件ごとの上限が業務実施細則で定められています。見積書は「材工一式」ではなく、部材費と労務費を分けた内訳書が必要です。

申請から補助金の受け取りまで

充電インフラ補助金の手続きの流れ
  1. 交付申請募集期間内にオンライン申請
  2. 選定・審査kW当たり申請額の少ない順に選定
  3. 交付決定この後に発注・着工
  4. 工事・支払支払は原則として振込
  5. 実績報告完了から30日以内が目安
  6. 額の確定・入金設置から5年間は保有義務

令和7年度補正予算では、交付申請期間が第1期(令和8年5月29日〜6月15日13時)と第2期(令和8年7月24日〜8月17日13時)に分かれていました。先着順ではなく、申請期間の終了後に、充電設備の出力1kW当たりの補助金申請額が少ない申請から予算の範囲で選定する方式です。実績報告の最終期限は、第1期の普通充電が令和8年11月30日、第1期の急速充電が令和9年1月5日、第2期は令和9年1月29日です。

2026年9月29日に公表された第2期の結果では、急速充電、普通充電(基礎充電)、普通充電(目的地充電)のいずれも申請額が配分額を下回り、選定外による取消しはありませんでした。

主な要件

  • 充電設備の発注、設置工事の着手、代金の支払は交付決定日の後であること(前払金等の一部は例外あり)
  • 既存の駐車スペースを活用すること。舗装されていない場合も舗装費用は補助対象外
  • 設置する土地の使用権限があること。借地の場合は土地所有者が5年間の設置を許諾したことを証する書類が必要
  • 設置完了から5年間の保有義務を満了できること
  • 国の他の補助金と重複しないこと(地方公共団体の補助制度とは重複できる場合がある)
  • センターから求められた場合に、利用状況のデータを提供すること

事務所・工場等では、普通充電設備の口数を駐車場収容台数の10%以下かつ10口以下とするなどの上限もあります。東京都など自治体の上乗せ助成と組み合わせる場合は、国の手続きを先に終える順番になることが多いため、東京都の充電設備普及促進事業の解説もあわせてご覧ください。

令和8年10月時点の公募状況と今後

令和7年度補正予算の第1期・第2期の受付は終了しています。センターは2026年10月1日、年度またぎ事業の概要を公表しました。対象は高速道路SA・PAの急速充電器(予算配分6億円)と、竣工予定が2027年度の新築集合住宅の普通充電器(同4億円)に限られ、申請受付は令和8年10月〜11月中旬が想定されています。それ以外の設置場所で次に申請できる時期は、現時点では公表されていません。最新の公募要領で確認してください。

まとめ

国の充電インフラ補助金は、設置場所の区分で補助率が変わり、充電器本体は承認された型式ごとの上限額の範囲で補助されます。申請期間が短く、交付決定前の発注は認められないため、機種選定、見積の内訳、土地の使用権限の確認を公募前に済ませておくことが重要です。

タンソーマンGXでは、充電器の補助金について、国と自治体の制度の組み合わせの検討から申請書類の作成、実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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