公開 2026.10.21

学校法人・社会福祉法人が使える補助金 対象法人の確認

この記事では、学校法人や社会福祉法人が省エネ・再エネの補助金を使うときに、最初に確かめるべき「対象法人に入っているか」「中小企業者等として扱われるか」の見分け方を説明します。国、自治体、所管省庁の制度の例と、法人ならではの準備の注意点が分かります。

なぜ「対象法人」の確認から始めるのか

補助金の対象者は制度ごとに定義されています。「中小企業」向けと書かれた制度でも、会社法上の会社ではない法人の扱いが別に定められていることがあり、対象になるか、どの補助率が適用されるかは要領を読まなければ分かりません。学校法人や社会福祉法人の場合、確認の手順は次のとおりです。

対象法人の確認手順
  1. 対象者の欄を読む法人の種類が列挙されているか
  2. 法人種別の明記を確認学校法人・社会福祉法人の記載
  3. 区分を判定従業員数などで中小か大企業等か
  4. 差を確認補助率・上限・対象経費の違い
  5. 事務局に確認判断に迷う点は申請前に

国の補助金:SIIの省エネ・非化石転換補助金

経済産業省の省エネ・非化石転換補助金(SIIが執行)の令和7年度補正予算の公募要領では、会社法上の会社以外の法人として「社会福祉法人」「医療法人」「学校法人」「特定非営利活動法人(NPO法人)」「中小企業団体等以外の協同組合」等を挙げています。これらの法人で従業員が300人以下の場合は「中小企業者等」、300人を超える場合は「大企業・その他」の区分になります。従業員は雇用形態を問わず、その法人に雇われている労働者を指します。

区分によって、次のような違いがあります。

  • 工場・事業場型の一般枠の補助率は、中小企業者等が1/2以内、大企業・その他が1/3以内(投資回収年数による調整あり)
  • 電化・脱炭素燃転型で工事費が補助対象になるのは中小企業者等に限る

非常勤の教職員や職員が多い法人では、雇用形態を問わず数える点に注意が必要です。区分の判定を誤ると、補助率や対象経費が変わり、計画そのものの見直しが必要になります。申請前に、従業員数の数え方を事務局のよくある質問や問い合わせ窓口で確かめておくと安心です。令和7年度補正予算分の4次公募は2026年10月5日から10月30日17時までです(中小企業の定義)。

自治体の補助金の例

自治体の制度でも、対象法人の書き方はさまざまです。

  • 東京都「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」(令和8年度):助成対象事業者を「民間事業者(民間企業、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人等)」とし、中小企業等の助成率の区分に学校法人・医療法人・社会福祉法人等を含めています。再エネ発電設備は3分の2以内、同時に設置する蓄電池は4分の3以内です。申請期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日までですが、予算額(約69億円)に達し次第終了します。
  • 栃木県「事業者用太陽光発電設備等導入支援事業」(令和8年度):対象を「県内に事業所を有する中小企業者、中小企業団体、医療法人、社会福祉法人、学校法人、青色申告を行っている個人事業主等」としています。太陽光発電設備は定額4万円/kW(上限400万円)で、サステナビリティ・リンク・ローンを利用する場合や中小企業向けSBT認定を取得している場合は5万円/kW(上限500万円)です。太陽光と同時に導入する蓄電池は補助対象経費の3分の1です。申請開始日から先着順で受け付けています。

どちらも法人種別が明記されている例ですが、明記がない制度では対象外のこともあります。要領に記載がなければ、担当課に確認してください。

所管省庁の補助金

私立学校:文部科学省

文部科学省の令和8年度予算(案)では、「私立学校施設・設備の整備の推進」に91億円(令和7年度補正予算額146億円)が計上されています。耐震対策や避難所機能の強化とともに、熱中症による事故を防ぐための空調設備の整備を推進するとされ、補助率は大学1/2以内、高校等1/3以内等です。具体的な事業区分と募集時期は、文部科学省と所轄の都道府県の案内で確認してください。なお、同じ資料では、日本私立学校振興・共済事業団が耐震化・施設の建替え等の融資事業(事業規模600億円)を実施するとしています。補助金と融資を組み合わせる場合は、償還計画も併せて検討します。

介護施設:厚生労働省

社会福祉法人が運営する介護施設では、厚生労働省の令和7年度補正予算「介護事業所・施設のサービス継続に対する支援」が使える場合があります。実施主体は都道府県で、業務用スポットエアコンや断熱カーテン、ポータブル電源・蓄電池などが対象経費の例に挙がっています(病院・介護施設で使える省エネ補助金)。

併用と重複の注意

所管省庁の補助金と、SIIや自治体の補助金を同じ設備・同じ経費に重ねることは原則としてできません。SIIの公募要領では、補助対象経費が重複する他の補助金等との併用はできないとしたうえで、地方公共団体の一般財源による補助金等との併用は認めるとしています。どの経費をどの制度で申請するかを、計画の段階で切り分けておきます(国・都道府県・市区町村の補助金の併用)。

法人ならではの準備

  • 理事会等の承認:設備投資に理事会の議決が必要な場合、公募期間が1か月程度の制度では日程が厳しくなります。前年度の要領で準備を始めます。
  • 工事時期:学校は長期休暇、福祉施設は利用者の生活への影響を考え、工期を組みます。補助事業の完了期限から逆算することが大切です。
  • 見積と書類:多くの国の補助金では相見積もりが求められます。入札や見積合わせの規程がある法人は、補助金の要領と法人内の規程の両方を満たす手順を事前に決めておきます。
  • 処分制限:補助金で取得した設備は一定期間、目的外の使用や処分が制限されます。施設の統廃合の予定がある場合は事前に確認します(処分制限の注意点)。

制度の条件は年度ごとに変わります。申請前に最新の公募要領を確認してください。

タンソーマンGXでは、学校法人・社会福祉法人の設備更新に使える制度の確認から、申請書類の作成、実績報告までを支援しています。詳しくは補助金支援のページをご覧ください。

参考資料

本記事の内容は2026年10月21日時点で公表されている資料に基づきます。最新の条件は各事務局の公募要領をご確認ください。

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